気付けばもう今年が終わろうとしています。北海道はすっかり雪に覆われています。
12月は全然ブログの方は更新していませんでしたが、木はせっせと彫っています。
今回は彫ったことのない木、ビーフウッドとジリコテを彫ってみます。どちらもちょっと異様な雰囲気の木です。
まずはビーフウッドです。異様な杢がびっしり入っています。霜降り肉に見えることからビーフウッドなんだそうです。
この異様な杢が毒キノコのような模様に表現出来ないだろうかと、今回はキノコの笠に使ってみます。
まずはカットして、穴を開けて、笠の裏側を先に彫っていきます。
凄い堅いという感じでもなければ、柔らかい感じでもないです。色もそうですか花梨と似ているかもしれません。
キノコの形はちょっと丸っこくしようと思います。
こんな形までノコギリでカットしました。
ちょっと下の写真を見てほしいのですが、ノコギリの刃に木くずがすぐ詰まります。ドリルを使った時も刃に木くずが詰まっていたので、どうやらべたつきのある木のようです。チークの木は油分があってべたつきますが、それとは別な感じがします。
ノコヤスリでさらに角を削っていきます。
やっと彫りに入ります。杢がびっしりの木なので、けっこう堅いです(;一_一)
そして彫り跡の艶がいいので、磨けば光るかもです。
杢がびっしりだからなのか、べたつきがあるからなのかは分かりませんが、ノミで彫った木くずがボロボロと崩れます。
ビーフウッドは木口側と板目側で杢の模様が違います。丸い杢が表面に出ることを狙ったのですが、こうゆう杢目になりました。まぁ毒キノコっぽい異様な感じは出ています。
この異様な感じの雰囲気に合わせる木は何が良いかと…柄の部分は白樫にします。色や杢目がビーフウッドに合いそうです。
白樫も堅い木ですが、柄は彫りやすいのでゴリゴリ彫っていきます。
ちょっと柄が長いのでカットします。
上と下をカットしたら、白樫のドーナツが出来ました…
とりあえずここまで彫りました。後でもう少し修正します。先に台を彫ります。
この異様な雰囲気のキノコに合う台は何が良いか…黒系の木にします。
紫檀(シタン)とジリコテ(シャム柿)がありました。下の写真、左が紫檀(シタン)、右がジリコテ(シャム柿)です。
異様な雰囲気対決では、ジリコテ(シャム柿)が勝っているようです。
合わせてみます。
いい感じの異様さが出ています。
固定するための穴を開けて行きます。
こんな感じでぴったりはまりました。
ジリコテ(シャム柿)の周りを彫っていきます。台もちゃんと彫るんです。
ジリコテ(シャム柿)の木口はめっちゃ堅いです…そして重いです…まるで石を彫っているようです…(;一_一)
笠の部分のビーフウッドの杢目の向きがどちらが良いか迷いましたが、後者にしました。
台の裏を平面にするために、サンドペーパーを掛けます。ジリコテ(シャム柿)はもはや石です…
最後にオイル塗装して乾けば完成です。
上の写真は全て、左が無塗装、右がオイル塗装(荏胡麻油)の比較です。
乾けば、もう少し落ち着いた色味になるはずです。
一応出品する予定ですので、この異様な木達を眺めていたい変わり者の方は、ご注文下さい。