木の「かたい」は「硬い」と「堅い」どっち?そして「やわらかい」の漢字は?

銘木たちの端材 木の話

結論から言うと「木」の場合は「硬い」を使う方が多いようです。「堅い」か「硬い」のどちらかですが漢字の意味や対義語から使い分けます。

※ネット上で検索してみた結果「硬い木」という表現が多く、グーグル検索の場合は「堅い木」と検索すると「硬い木 も含めた検索結果を表示しています」と出るため、一般的には「硬い木」が適しているケースが多いと判断しております。

私の場合は「この木はかたい」と言う時は「堅い」という漢字を使います。

最初は「硬い」と「堅い」どっちを使うべきが迷いましたが、意味や対義語を比べた時に私の場合は「堅い」が腑に落ちると思い「堅い」という漢字を使っています。

私の場合はと言うのは、家具などに使われる木について外力に負けない強度があると言う場合に使う「かたい」ではなく、ノミで彫ったり削ったりする木の素材が「かたい」と言う表現で使う場合という意味です。

漢字の意味や対義語は以下の様になります。

「堅い」は「中身が詰まっていて強い状態、確実で崩れないほど確かなもの、など」の意味があります。対義語は「もろい」です。
例)堅い木材、堅炭、勝利は堅い、堅い人、口が堅い、など

「硬い」は「外力に強い事や、こわばった様子、など」の意味があります。対義語は「やわらかい」です。
例)硬い金属、硬い石、硬い土、表情が硬い、など

「固い」は「結びつきが強い、揺るがない、など」の意味があります。対義語は「ゆるい」です。
例)結び目が固い、固い関係、固い握手、地盤が固い、など

「堅い」と「硬い」は微妙な所もあり、どっちに該当するか一番迷う所かもしれません。

対義語を見ると、木はこんにゃくのように「ぐにゃぐにゃしてやわらかい」という事は無いですし「ゆるい」も無いですよね。どちらかと言うと木は「もろい」が正解のようです。

ただし、私は「この木はもろい」とは表現しません。もろいが正解かもしれませんが、分かりやすいように「やわらかい」と表現します。多分木を扱う方は「やわらかい」と言っていると思います。本当にやわらかい訳ではないのですが、かたさを比べた時にかたくない方を「やわらかい」と言っているだけです。

実際ノミを入れる感覚としても刃が入りやすい時は「あっ、やわらかい」と感じます。「あっ、もろい」とは感じません。

木が腐ってボロボロ崩れているような状況の場合は確かに「もろい」という表現が合っていると思います。

という事で、私の場合は「木がかたい」と感じる場合は「堅い」という漢字を使い「木がやわらかい」と感じるときは堅いの対義語の「もろい」では無く、普通に「やわらかい」と表現しています。普段木を彫らない方が堅いと感じる木でも、私の場合はもっと堅い木を彫ることがあるので、私はその木はやわらかいと感じると思います。ですのであくまで私の感覚で表現しています。

ちなみに「やわらかい」も漢字にすると「柔らかい」と「軟らかい」があります。

「柔らかい」は、バネやゴムなど、力を加えても元に戻るような柔らかさを意味します。「柔」の対義語は「剛」

「軟らかい」は、食べ物や土、クリームなど、力を加えると元には戻らないような軟らかさを意味します。「軟」の対義語は「硬」

意味で考えると木は「軟らかい」の方に入ると思いますが、「軟らかい」の対義語は「堅い」ではなく「硬い」なんですよね。

でも、実は木ってぶつけて潰れても水を含ませると膨らんで潰れた部分が元に戻るんですよね。完全に復元しない場合もありますし、小さい潰れに限ってですが。そういう意味だと「柔らかい」の方ですよね。

実際に木を扱っている方々は「硬い」「堅い」「柔らかい」「軟らかい」意味に応じて使い分けているようです。家具の強度という意味での「硬い」と木彫りの素材の彫りやすさという意味での「堅い」はやっぱりちょっと違いますよね。

いちいち考えるのが面倒なので、もはやひらがなでも良い気がしてきましたが、私の場合は漢字で書く時は「堅い」と「柔らかい」を使うことにします。誤変換で他の漢字になっている場合もあるかもしれませんが…

ちなみに、かたい木を意味する「堅木(かたぎ)」や「硬木(こうぼく)」という言葉もあります。

逆に、やわらかい木を意味する「軟木(やわき/なんぼく)」や「柔木(じゅうぼく)」という言葉もあります。

あぁ~日本語ってほんと難しいですよね(;一_一)

※おまけ

今回はブログの写真無しなので、大量に出た銘木たちの端材の写真を一枚。

銘木たちの端材

ほとんどが、一般的には堅いと言われる広葉樹です。私の指や肩を壊してきた者達ですよ(;一_一)