普通のキノコを彫ってみる第3作目はウォルナットと山桜のきのこの親子です。
やっぱりウォルナットのキノコも彫っておきたいですよね。家具に使われる木材では絶大な人気を誇るウォルナット。最大の特徴は何と言っても色です。塗装前はやや紫を感じる茶色とグレーの中間くらいの色味です。オイル塗装して濡れ色になると、グッと引き締まった濃い焦げ茶色(部分的に赤茶や黄茶を含みます)。さらに経年変化で月日が経過すると、色の濃さが抜け明るい色合いに変化していきます。
私が木に興味を持つきっかけになったのがウォルナットです。木彫りの木材として使われる方は少ないですが、私は作品によく使う木です。
そして、山桜。私の大好きな木でこれも作品によく登場します。
そんな2つの木を使って今回もキノコを彫っていきます。
まずは、大きいサイズの親キノコの笠をウォルナットで彫っていきます。
ウォルナットは加工がしやすいとても優秀な木材です。程よい堅さ。程よい柔らかさ。(木彫りの木材としては堅い方かもしれませんが…)
写真の木くずに色鉛筆の削りカスが混ざっていますが、これは途中で娘が乱入し私の木工部屋でお絵描きを始め、さらには色鉛筆を削れと言ってきたので、ノミでサクサク削ったカスです。鉛筆削りを使うより芯の先端が鋭くとがらないので安全で良いです。毎回ノミで削るのはめんどうですが…(;一_一)
今回のキノコはこんな形にしようと思います。実在するキノコの種類を彫るのではなくイメージで彫っています。リアルを求めているわけではないので…。リアルもやってみたいですが、すんごい時間がかかりそうで怖いです。
次は山桜でキノコの柄を彫ります。
山桜はノコギリを入れると毎回とても良い香りがします。場所によっては緑がかった木目が走っていてそこもまた好きです。
前作のキノコは、柄を彫った後に台に固定するための穴を開けましたが、これがとても難しかったので今回は先に穴をあけます。キノコの笠と固定する穴と、台に固定する穴です。
粗彫りして、合わせて、整えて。こんな感じになりました。
親子の位置関係を合わせながらまだ修正して彫りますが、とりあえず次にミニキノコを彫ります。
ミニキノコもウォルナットと山桜です。
やっぱり小さいと難しいです…(;一_一)持ちづらいですし…
こんな感じになりました。寄り添っている感じがいいですよね。
次がちょっと難しいんですよね。台に固定するための穴あけです。3作目でだいぶ慣れては来ましたが。
まずは、位置を決めます。お互いのキノコがくっつくように配置しますので、少し内側で穴を開けます。
こんな感じに穴を開けました。
キノコを挿して確認します。
狙い通りにいったようです。お互いのほっぺたを削ればぴったり寄り添ったようになるはずです。
台の表面も彫って、穴の深さも調整していきます。だんだんはまってきました。だいぶいい感じです。
次は台の周りも彫って仕上げてしまします。
「ウォルナットには堅いウォルナットと柔らかいウォルナットがある」と私は思っています。
なぜなら、今回彫ったウォルナットの台は、前回彫ったウォルナットの台より、あきらかに柔らかいからです。上の写真の左が今回彫ったウォルナットで、右が前回彫ったウォルナットです。確か以前のブログにもやけに柔らかいウォルナットがあると書いた気がしますが、これもそのようです。
見た目もちょっと違います。堅い方が導管が少なく密な気がします。木材の箇所によっても堅さが違うでしょうし、若い木、老木でも違うでしょうし、産地でも違うんだと思います。ウォルナットに限らず他の木でもあるはずです。まだまだ勉強不足というか経験不足です…(;一_一)
でもなんだかんだ言ってもウォルナットです。木口はかなり堅かったです…(;一_一)
ちょこちょこ修正しましたが、これで彫り上がりとします。
今回は「普通のキノコの形も彫ってみうよう」ということで、この3組の作品を彫りました。普段は足とか付いた生き物みたいなキノコばかり彫っていますが、こういう普通の形のキノコも良いですよね。
最後にオイル塗装します。3作品一緒にオイルを塗っていきます。
塗装前。
塗装後。塗ったオイルは荏胡麻油です。最近は本当にうすーく少量でオイルを塗っています。
このオイル塗装後の色味の美しさがもうなんとも言えません。
乾いたら、接着して完成です。12月中には出品できると思います。どうですか?窓際に置いてみませんか?
※おまけ
北海道はもうすぐ冬です。先日公園(モエレ沼公園)に行ったらエゾリスに会いました。木の皮を剥いだり、何か探していたり、一生懸命冬支度していました。来週あたりモリモリ雪が降りそうです。
エゾリスってエゾだけに北海道だけのリスだろうか?…北海道には普通のリスもいるんですがね…