ずっと、ウォルナットの回が続いておりましたが、今回はチークです。
ウォルナットは世界3大銘木の一つなのですが、チークもその一つです。世界3大銘木続きで贅沢です。ちなみにもう一つがマホガニーです。マホガニーの木材も持っていますがキノコに出来るほどの厚さがありません。残念です。いつか手に入ったらマホガニーも彫ります。
チークは木材では珍しく油分を含んだ木になります。水に非常に強く耐久性もあることから、昔は船の材料に使われていました。船の木材に重宝するため乱獲され、今は天然のチークはミャンマーにしかありません。ミャンマー政府はチークを守るために輸出規制をしており、天然の大きな一枚板のチークは市場にほとんど出回っていません。(小さいサイズのチークはまだ売られていますよ。私も買っていますから。)しかしながら、インドネシアなどで植林がされており、インドネシアチークとしては市場にも出ているようです。世界3大銘木と称されるチークはミャンマーなどにある天然のチークを指します。ちなみに天然のチークを伐採した木は象さんが運んでいるそうです。
以上が、私が覚えている範囲でざっと書いたチークの説明です。(間違えていたらごめんなさい(;一_一)
チークの木材の話はネットで調べたらたくさん出てきますので、興味がある方は調べてみてください。
ちょっと話が長くなりましたが、何を言いたいかと言いますと今回のチークは天然のチークです。信頼できる木材屋さんから買いましたので、間違いないと思います…
チークは私の大好きな木です。(大好きな木は他にもたくさんあります)
まずは色が好きです。無塗装のチークは何とも言えない素朴な色をしていますが、オイル塗装をするとぐっと色が引き締まって輝くような黄金を含んだ濃い茶色になります。チークゴールドと言われたりするそうです。金色がまじっていたり、濃い黒い線が走っていたり、素朴さが残っていたりと、色を一言で表現するのが難しいです。さらに経年変化で濃くて美しいオレンジが出てきます。もはやパラレルワールドです。
次に、油を含んでいることです。チークにオイル塗装は必要ないと言われるくらい始めから木に油分が含まれています。と言う事は船にも良いですが、テーブルにも最適です。オイル塗装が抜けてきても、そもそも木が油を含んでいるので水に強いです。コップを置いても輪染みが付きません。付いてもいつの間にか消えています。
とにかく良いこと尽くしのチークなんです。
そして、チークに惚れ込んだ私は、贅沢にもチークで家具を作りました。
目の届く範囲でチークをずっと見ていたかったんです。

まずは、チークのローテーブル。小さいサイズですがチークの一枚板です。耳(皮の部分の事)もちゃんと付いています。脚はタモを使いました。脚にはティッシュボックスを入れる空間と、ウォルナットの小さなドアを付けた小物入れを付けました。2か月くらい掛かったと思います。娘が遊ぶテーブルになっており大変ハードに使われていますがチークは全てを受け止めてくれています。

次は、チークの引き出し付きの棚です。これは3カ月くらい掛かっています。大変苦労した作品です。特に引出しが難しいです。もう作らないと思います。しかし経年変化した濃い色味は大変に美しいです。
この棚の約2年後の写真がこれです↓

撮影時の明るさや、日の当たり方でも写真の色味に違いが出ますが、オレンジ色がぐっと濃く出ているのがお分かりでしょうか?これがチークの色味の美しさです。(日当たりのよい場所に置いているので経年変化も早かったかもしれません。)

最後は片耳のチークの一枚板です。ただラックの上に載せて台にしているだけです。作ったというよりは両面を磨いてオイル塗装しただけです。窓際に置いており風通りが良いので、よくこの上に木彫りのキノコを置いてオイル塗装を乾かしています。
高価なチークを買ってはこんな贅沢なことをしているのですから、私がチークに惚れ込んでいるのはお分かりになって頂けたでしょうか?
チークの話でだいぶ長くなってしまいましたが、やっと制作の様子をご紹介していきます。

そんなわけで、家具を作った際に出たチークの端材がありますので、これをキノコにしていきます。

この端材からキノコの笠を2個分ぎりぎり取れそうです。だいたいキノコの笠はいつも4~5cm角で取っています。


こんな感じでカットして、こんな形のきのこにしようと思います。


中心を出してから、先にドリルで穴を開けておきます。その後に、丸ノミで彫り始めます。小さい端材を彫るので動かないように固定する事がとても大事です。

こんな感じで、キノコの笠の裏を彫りました。彫っても穴が開いているので中心が分かりやすいです。
チークを彫っているとなんかジャリジャリする感覚があります。きっと鉱物が含まれているんだと思います。

ここまで準備が出来ました。ここからはノコギリでカットしていきます。

見てください。チークの木の粉。普通の木の粉は切ったらサラサラと落ちていくのですが、チークは油分を含んでいるためにベッタリくっついているんです。ノコギリの方にもベタっと付いてしまいます。頻繁に掃除機で吸い取ります。普通はうっとおしいでしょうが、私はチークを扱っているこの感じがなんだか嬉しいです。


こんな感じで2個分大まかな形にカットしました。

貴重なチークです。端材も捨てずにとっておきます。
捨てるような端材がいっぱいありますが、捨てられません…(;一_一)

次は、大まかな形にカットされたキノコをさらに角を取っていきます。
ノコヤスリの出番です。右上にちょっとだけ写っているのがそれです。(ちゃんと撮ればよかったです)
ゴリゴリとノコギリのように削れます。

ここまで来たらやっと木彫りタイムです。

ひたすら形を整えながら彫っていきます。チークは彫りやすいです。(ただし部分的にとても堅い場所があります。それはどんな木も一緒ですが。)

とりあえず、1個完成です。笠は少し縦長のとんがり帽子にしています。
今日はここまでです。続きは次回に。