今回は花梨(カリン)の木の話です。
去年、制作の様子のブログで少し触れた花梨の白いカビの様な物についてです。
花梨の木を加工して数日経つと、表面に白いカビの様な物が出てくることがあります。
私も最初はカビだと思って拭き取りましたが、数日経つとまた同じ場所に現れます。
不思議に思い、とりあえず出品していた花梨のキノコの木彫りの置物の出品を取り下げました。
でも良く調べてみると「サポニン」という物質が原因だと分かりました。
花梨の木に含まれるサポニンという物質が空気中の酸素と化学反応して白い結晶になるそうです。
サポニンとは「植物の根、葉、茎などに広く含まれている配糖体の一種」だそうです。
前回のブログでご紹介した際は、オイル塗装した木彫りの作品をもう一度オイル塗装して、サポニンが空気に触れないようにして様子を見ることにして終わりました。
前回のブログ「花梨(花林)の木で木彫り(まるで紅葉色。そして白い結晶の謎…)」
しかし、4か月ほど経過して見てみると、さらに多くのサポニンの白い結晶が付着していました…↓

オイル塗装(荏胡麻油)を2回して花梨の木の表面を覆いましたが、やはりオイルではダメだったようです。オイルは浸透するので、表面塗装には弱いんですよね。
そこで、ワックスで表面コーティングすることにしました。
使うワックスは蜜蝋です。商品名は「未晒し密ロウワックス」です。私が使っているウォルナットのデスクに塗装するために昔買ったやつです。(その後色々あって、蜜蝋ワックスを全て取り除いてオイル塗装に変更しましたが…)

まず、サポニンの白い結晶をしっかり拭き取って、薄ーく指で蜜蝋を塗り込んでみました。(それだけです…簡単です)

そして、現在3カ月が経過しましたが、ほとんどサポニンの白い結晶は出ていません。よーく見ると微かに白い結晶は見えますが…何度か蜜蝋ワックスを重ねるか、ウレタン塗装のようなもっと強い表面塗装をすると完璧かもしれません。
蜜蝋ワックスを塗って3カ月後の写真↓


このように花梨の木には加工すると白いサポニンの結晶が出ることがあります。まったく出ない箇所もあります。
今後、花梨で作品を作るときは、オイル塗装+ワックスが必須かもしれません。
ただ、完全に乾くまでに、オイル塗装は2週間(食用えごま油のため)、蜜蝋ワックスは1週間くらい様子見で、作品の出品までに3週間くらい必要になるかも…
では、また。